5分で分かる!初心者必見のITパスポート取得のメリットと活用法

勉強

 “ITパスポート” 名前は聞いたことがあるけれど、何に役立つのかが分からず、実際に取得しようか迷っている人は多いのではないでしょうか?
 実はこの試験、毎年8万人近くが受験している国家資格であり、数多くの企業や教育機関においても採用されています。
 今回はITパスポート取得のメリットを取り上げ、資格を取得すべき人とそうでない人を明確にしていきます。また、企業や教育機関での活用事例も多数掲載していますので、是非参考にして頂ければと思います。

1. ITパスポートのメリット

 メリット

 ITパスポートは、経済産業省認定の国家資格です。日常生活でも仕事でも、インターネットを使うのが当たり前になっている中で、ITを正しく理解し、有効的な活用が出来るような知識が身につきます。
 この試験は、社会人として必ず役に立つスキルですので、学校でも取得を奨励しています。また、企業においても、社員のITに関する知識向上のために受験を積極的に薦めています。以前の、初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)と同じように、役立つ資格として認定されているため、履歴書にもしっかりと記入することが出来ます。
 また、ITパスポートは上位試験への足掛かりともなっています。これに合格をすることで、ITコーディネータ試験や基本情報技術者試験へとつながっていきます。上位試験の合格はプログラミング言語等も出てくるため、ハードルは高くなりますが、ITパスポートの試験範囲をより深くしたものがほとんどとなります。ここで基礎知識をしっかり身につけることで、上位試験を受けるにあたっての基盤となります。
 それでは具体的に、ITパスポート取得のメリットをお伝えしていきます。

1-1. 幅広い分野の基礎知識の取得が可能!

 ITパスポートは、企業活動や経営戦略、会計、法務などのようなITに関することだけでなく、大きく分けて以下の4つの幅広い知識を身につけることが出来ます。

①情報セキュリティや情報モラルに関する知識
 ・情報セキュリティに関する基礎的な知識
 ・インターネットや電子メール、社内システム使用の際の機密漏洩やウイルス感染等のリスクの理解

 

②企業のコンプライアンスや法律に関する知識
 ・知的財産権などの法律
 ・著作権・商標権などの法令
 ・個人情報漏えいリスク

 

③経営戦略・財務などの経営全般に関する基礎知識
 ・BSC、SWOT分析などの経営全般に関する知識
 ・財務諸表、損益分岐点分析などの会計財務に関する知識
  →ITを活用した課題と解決力が養われるため、業務改善につなげることが出来ます。

 

④業務上必要なIT知識
 ・情報システムやネットワーク、データベースといったITの基礎知識が身につくことで、社内外でのコミュニケーションの円滑化につながります。

 現代の企業においては、社内システムや顧客管理をはじめ、多くの分野でITが使われています。ITパスポートを通じてITの知識を身につけておくことで、システムの仕組みが分からず、気づかない間に企業秘密や個人情報の漏洩を防ぐことが出来ます。

1-2. 組織の向上とコンプライアンス強化

 社内の情報システム部門だけでなく、全社的にITの知識を身に付けることにより、会社全体のIT力の向上につながります。

①ITを活用した業務効率化とビジネスの拡大

 ・業種に関わらずITは必要不可欠となっています。ITパスポートで習得した知識を活かすことで、
  積極的にITを業務に組み込み、それが効率化につながります。
 ・ITを取り入れた新規ビジネスの提案が出来る人材育成
 ・営業マンが、顧客への製品やサービスの提案の際に、分かりやすく説明が出来るようになり、
  顧客のニーズをより把握できることで、営業力の強化につながります。

 

②組織のIT力の向上とコンプライアンス強化
 企業リスクである、機密情報・個人情報漏洩などの原因は、社内システムの誤操作や確認漏れ、
管理不徹底といった人的ミスがほとんどであり、企業にとっての被害が大きくなります。
 このような被害を未然に防止するためにも、会社全体の取り組みとして、ITパスポートの取得により、
ITに関する正しい知識とコンプライアンスの知識を身につけることで、会社全体のIT力の向上につながります。

 現代社会においては、企業のコンプライアンスが高いレベルで求められます。そのため、ITの基礎知識だけではなく、情報モラルや個人情報保護などを正しく活用するために、幅広い知識を身につける必要があります。そのために、ITパスポートを取得のために勉強することは有効な手段となります。

 このように、ITパスポートはITに関する基礎知識だけではなく、コンプライアンスや経営全般に関わる内容も多く含まれています。そのため情報社会である現代においては、これらの知識を取得しておくことで、一般の仕事においても有効活用出来るので、自らのスキルアップのためにも取得することをオススメします。

 次項では、実際にどのような場でITパスポートが活用されているのかについてお伝えしていきます。

2. ITパスポートの活用事例

 前項で、ITパスポートのメリットをお伝えしました。次に、ITパスポートが実際にどのような場で活用されているのかの事例を3項目に分けてご紹介致します。

2-1. 就職活動での活用事例

 ITパスポートは、社会人としての基礎知識とIT力を兼ね備えていることを証明する国家試験です。取得をすることで、採用面接や履歴書等で自らの知識を証明し、アピールすることが出来ます。
また昨今、新卒採用時のエントリーシートでITパスポートの合格やスコアを確認する企業が増えています。それは、企業においてITは必要不可欠なため、予め知識を持っている方を採用したいと考えているためです。
 そして国家公務員の採用では、情報セキュリティに関する素養を確認するために、採用面接時にITパスポート等の合格を確認する省庁があります。

2-2. 企業での活用事例

 続いて、各企業においてITパスポートがどのように取り入れられているのかをご紹介致します。

①ネット証券会社の事例

 オンライン上での取引のため、システムを重視しています。そのため、ITに関する基礎知識は必須と判断し、全社員の試験合格を必須としています。試験合格を支援するため、会社が受験料の負担や報奨金の支給を行っています。

 

②警備会社の事例
 業界内でサービスのIT化が進んでいるため、技術職だけでなく営業や警備職を含めた全社員のIT知識の向上が求められています。社内向けの通信教育講座で、受講料の一部を会社が負担しています。

 

③印刷会社の事例
 業界内で急速にデジタル化が進んでいるため、全社員に基礎的なIT知識を習得しないと業務にも支障が出ると判断し、ITパスポートの試験勉強を通じてITの基礎知識向上に取り組んでいます。

 

④電機メーカーの事例
 入社後の新入社員研修において、IT知識と技術の基礎を身につけています。ITパスポートは、これらの知識を確実に身につけたことの証明のため、1年目の終わりに全員が合格することを目標にしています。

 

⑤大手銀行の事例
 銀行業務の多くはITシステムで支えられているため、社員のITの基礎知識は必要不可欠となっています。そのため、全社員対象の資格取得支援制度の一つとしてITパスポートを指定しており、合格者には費用の一部を報奨金として補助することで、合格の支援を行っています。

 このように、ITパスポートはIT系の業種に限らず取り入れられています。それは、前項でもお伝えしましたように、ITはどの分野でも使われており、一人ひとりに最低限の知識が求められてきています。ITパスポートは、このような背景から社員への意識付けも含めて、導入をしている企業が増えています。
 今回は、ほんの一例をご紹介致しましたが、運輸業・小売業・サービス業といった業種でも幅広く企業が受験を推奨しています。

2-3. 教育現場での活用事例

 活用事例の最後に、教育現場での事例をご紹介致します。

 大学においては、ITパスポートを取得していることを条件に、入試優遇措置や単位認定を行っている事例があります。また、ITパスポートの内容に基づいたカリキュラムの授業を行っている大学もあり、多くの大学でITパスポートが活用されています。
 それでは、実際の活用事例を紹介致します。

①首都圏私立大学(経営学部)の事例
 とある大学では、3,4年次の専門科目としてITパスポートの出題範囲の講義を開講しています。社会人になって求められる、ITの基礎知識や企業のコンプライアンスに関わる知識を学習しています。講義時の小テストや実力判定テストで学生の理解度をチェックし、講義を通じてITパスポートに合格できる知識の習得を目標としています。

 

②関西の外国語大学の事例
 関西にあるとある大学では、教養科目の1つとして情報・メディアコースを設定しています。このコースの目的として、情報・メディア関連の観察と考察を進め、これらの領域における問題を多様な視点から考察し、解決するための能力を要請することとしています。このコースの科目の中に、ITパスポートの内容に準拠しているものがあり、毎年70名前後の学生が受講していて、コースの中心科目となっています。

 

③首都圏私立大学(商学部)の事例
 ITパスポートは、経営全般とITの基礎知識が同時に学べることから、IT業界を始め、金融業界等といった様々な業界への就職に有利なものと位置づけ、試験合格を支援するためのITパスポート口座を開講しています。商学部の学生にとっては、ITパスポートのストラテジ分野が、会計・経営等の授業で学んだ知識が活かせるため、受験しやすいと評価されています。試験合格者には報奨金が給付されるため、学生のモチベーション向上にもつながっています。

 このように、教育現場でも授業の一環としてITパスポートの内容が採用されている事例が増えています。また、専門学校や高校でも情報の授業を通じて学習する場が多くなっています。

3. 次のステップ(次に取る資格)

 ステップ

 続いて、ITパスポートを取得した後に取得しやすい資格を2つご紹介致します。
 1つ目は、ITコーディネータ試験です。この試験は、ITのプロや経営のプロを目指す方にオススメです。
 2つ目は、基本情報技術者試験です。この試験は、IT技術全般や基礎的なプログラミング能力を習得するため、これからエンジニアになる方にオススメの試験です。
 それでは、それぞれの試験について見ていきたいと思います。

3-1. ITコーディネータ試験

 ITコーディネータは、IT経営を実現するプロフェッショナルで、経済産業省の推奨資格として、約6,500名の資格保有者が全国にいます。
 この試験はITコーディネータになるための試験で、ITパスポートにて習得した経営に関する基礎知識が活かすことが出来ます。

《ITコーディネータ取得のメリット》
 ・経営からITまでの幅広い知識が身につけられます。
 ・実践的なケース研修があるため、早期に実績を積むことが可能です。
 ・ITパスポートで750点以上取得していれば、試験の一部が免除となります。
  →試験は「ITコーディネータ試験」と「専門スキル特別認定試験」の2つあり、後者の受験が可能です。

《ITコーディネータの取得を推奨する方》
①経営のプロの方
 →経営や経営サポートの専門領域だけでなく、ITの知識を向上させることにより、その時代に合った経営戦略の策定と実現が
  期待できます。
  ・経営者
  ・公認会計士
  ・税理士
  ・中小企業診断士
  ・金融機関で働く方 など

②ITのプロの方
 →経営の知識を取得することで、企業におけるIT戦略担当や経営幹部となることが期待できます。
  ・ITコンサルタント
  ・ITエンジニア(PM、SE、システム監査など)
  ・社内の情報システム部門の担当者 など

 このように、ITコーディネータを取得することにより、経営の中心やITコンサルタントを目指すチャンスが生まれ、活躍の場が拡大します。この分野に進みたい方に、オススメの試験です。

3-2. 基本情報技術者試験

 基本情報技術者試験は、ITに関する基本的知識や技能を持ち、実践的な活用能力を身に付けた向けの試験です。ITパスポートはIT以外にも幅広い基礎知識の習得を目的としているのに対し、こちらはシステムの設計・開発・運用を含む、ITに特化した試験となっています。そのため、今後ITエンジニアを目指す方はITパスポートを最初のステップとして、その後に基本情報技術者試験を受けることをオススメします。
 また、基本情報技術者試験を取得した後は、さらに上級試験へと進んでいき、自身のスキルを一歩ずつ向上させていくことが可能です。以下に、ITエンジニア向けの試験の一覧を載せておきますので、参考にして頂ければと思います。

参考:ITエンジニア向け情報処理技術者試験
①基本的知識・技能
 ・基本情報技術者試験

②応用的知識・技能
 ・応用情報技術者試験

③高度な知識・技能
 ・ITストラテジスト試験
 ・システムアーキテクト試験
 ・プロジェクトマネージャ試験
 ・ネットワークスペシャリスト試験
 ・データベーススペシャリスト試験
 ・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
 ・ITサービスマネージャ試験
 ・システム監査技術者試験

4. まとめ

 今回は、ITパスポート取得のメリットについてお伝えしてきました。「IT」という名が付くので、IT系の企業に務める方・理系や情報系の学部の学生向けの試験なのかと思われがちですが、実は企業のコンプライアンスや経営戦略のような、企業に勤めていく上で必要な基礎知識が万遍なく学ぶことが出来るので、筆者としては是非、ITパスポートの取得をオススメします。
 しかしながら、一部取得の必要が無い方もおりますので、最後にITパスポートを取得すべき人とそうでない方を分けましたので、参考にして頂ければと思います。

①ITパスポートを取得すべき人
  -文系の学生で、IT業界に興味がある方
  -ITエンジニア以外の社会人(基礎スキルアップのため)
  -ITエンジニア以外の専門性を持っている方

 

②ITパスポートをを取得する必要のない人
  -ITエンジニア
  -情報処理系の学部に通う学生
  
 試験が、専門性や実務力がなくても合格出来てしまうため、エンジニアにとっては不要と考えます。
 既にエンジニアに成り立ての方は、基本情報技術者試験の受験を推奨致します。

 いかがでしたでしょうか。
 ITパスポートの取得を考えている方へ、少しでもお役に立てていれば幸いです。
 
 本ページを読んで、ITパスポートが必要だなと感じましたら、取得して損はありません。
 早速、行動に移してみましょう!